高校留学vs大学留学 どっちがいい?|目的・費用・難易度・学習環境・得られるものなど違いを徹底比較!
留学に行きたい!と思った時に、まず悩むのが「いつ留学するのが良いのか」という問題。
高校生だと早い?大学生でも遅くない?
留学するのにベストなタイミングはいつなんでしょうか。
同じ留学であっても「高校留学」と「大学留学」では、その目的から難易度、費用、学習環境までまったく異なります。
ここでは高校留学と大学留学の違いを徹底解説!2つの違いをしっかり理解して、自分に合った留学のタイミングを知ってくださいね。
目次
高校留学と大学留学の違いを徹底比較!
❶ 留学目的・留学で得られるもの
[高校留学]
異文化体験を通して「適応力」が身につく!
高校留学では現地の一般家庭にホームステイしながら、現地の高校に通うのが一般的な留学スタイル。現地の高校生や他国からの留学生と一緒に学んだり、ホストファミリーと一緒に地域のボランティア活動に参加したり、実際に地元の人と触れ合いながら外国の文化を体験できるのが高校留学の醍醐味です。日本の高校生活ではなかなか得られない価値観や考え方、さまざまな国の文化に対する理解や異文化適応力などが身につきます。
高校生活で「日常会話レベルの英語力」を習得!
英語を使っていろんな国の人とコミュニケーションできるようになりたい、映画やドラマを英語で楽しめるようになりたいなど、日常会話レベルの英語力を習得したいなら、高校留学がベター。日常英語に限って言えば、環境に対する適応の早さや頭の柔軟性を考えても、大学生になってから外国の語学学校に短期留学するより、現地の高校生と一緒に学校生活を送れる高校留学のほうが、圧倒的に吸収できるものは大きいでしょう。
[大学留学]
専門分野の学問をより深く学ぶ!
大学留学は、海外の大学の特定の学部に留学し、専門的な分野の学問をより深く学び習得するのが目的の留学です。日本よりも海外の大学のほうが最新の学問を学べる分野も多くあります(たとえばアメリカの心理学や医学、経営学、ホテル学など)。
高校留学では学校生活やホームステイを通して語学力や異文化適応力を磨くのに対し、大学留学では特定の学問の追求に重きが置かれます。将来を見すえて専門的に学びたい分野が決まっている人には、大学留学のほうが良いでしょう。
高いレベルの「アカデミック英語」を習得!
大学留学では、専門分野での研究を通して「アカデミック英語」と呼ばれる専門的な英語力を習得することができます。大学生活では専門書や文献を読んで論文を書いたり、他国の留学生とディベートをするなど高いレベルの英語力が求められるため、留学前の時点で日常会話には困らないレベルの英語力を身につけておく必要があります。
❷ 留学の難易度
[高校留学]
留学生の高校入学条件は、留学する国や現地の受け入れ校によって異なりますが、求められる英語力は大学留学に比べるとそれほど高くありません。
交換留学の場合は、留学団体の選考試験に突破しなければなりませんが、私費留学(正規留学)であれば、ある程度の英語力があれば留学可能です(公立高校であれば、5段階評価で3あれば入学可能な場合がほとんど)。
アメリカ高校留学の場合は、入学するにあたりアメリカ全土の高校で「ELTiS(エルティス)」と呼ばれる英語能力テストのスコア提出が求められますが、合格ラインの目安は英検2級程度。ELTiSの問題は高校留学に特化した内容なので特別な対策は必要ですが、留学を志す高校生にとってそこまで高い壁ではありません。
また高校に入ってからの勉強も大学ほど厳しいものではないので、学校での生活態度や成績が著しく悪いなど、よほどのことがない限り落第することはないでしょう。
[大学留学]
大学留学では専門的な分野を研究するため、留学スタート時点である程度のレベルの英語力が必要になります。目安としては英検1級程度。また留学する大学や学部によっては、入学基準に高校のGPA(成績の平均値)を設けているところもあります。
大学生活は課題やレポート、テストなどでとにかくハードな毎日。英語力が足りていない場合は、専攻の学問に加えて英語の勉強も必要になります。
❸ 留学にかかる費用
自由に留学をコーディネートできる私費留学だと、留学する期間や選定する学校などによって費用は大きく変わってくるので、ここでは1年間(厳密には1学年分=10ヶ月)の交換留学の費用を比較します。
[高校留学]
1年間の高校交換留学 ▶︎ 120〜200万円程度
*学費 → 無料
*教科書代 → 無料
*滞在費 → 無料
*生活費 → 無料
高校交換留学の場合、学費と滞在費は免除されるので、大学留学に比べるとかなりリーズナブル。
滞在は現地のホストファミリー宅に宿泊する「ホームステイ」タイプがほとんど。ホストファミリーはボランティアなので、食費や光熱費などの生活費も基本的にはかかりません。
[大学留学]
1年間の大学交換留学 ▶︎ 300万円程度
*学費 → 下記参照
*教科書代 → 自己負担
*滞在費 → 自己負担
*生活費 → 自己負担
大学交換留学の学費は、現在日本で所属している大学に納めている学費を継続して支払うことで、留学先の学費が免除される仕組みになっています。
大学留学の費用であなどれないのが教科書代。洋書の教科書はとても高価で、専攻によっては合計で10〜20万円くらいかかることもあります。
大学留学の滞在は大学の寮に住む人が大半。ホームステイとは違い、寮費はもちろん光熱費などの生活費も発生します。
❹ 留学で使える奨学金制度
[高校留学]
高校留学で使える奨学金は、大学留学に比べると種類も応募枠も少ないのが現状ですが、最近では高校留学のメリットが注目され、「トビタテ!留学JAPAN」をはじめとした高校留学支援の奨学金制度も増えてきています。
地方自治体や留学団体、留学エージェント、民間財団などが行なっている奨学金も数多くあるので、ぜひ下の記事でチェックしてみてくださいね。
[大学留学]
大学留学では、外国政府や大学、民間財団、企業などさまざまな機関の奨学金制度があります。どの奨学金も競争率は高いですが、高校留学と比べると圧倒的に数は多いと言えます。
❺ 留学先での学習環境
[高校留学]
高校留学の場合、留学先の高校に日本人がいることは少ないので、語学学習にはとても適した環境だと言えます。
留学スタートからしばらくの間は淋しさやストレスもありますが、語学力の向上はもちろん、精神面が鍛えられたり自己解決力が身につくのも、高校留学ならではのメリットだと言えるでしょう。
校内の治安で言えば、留学する高校にもよりますが、公立高校の場合は地域に住むさまざまな家庭の生徒が通っているので、素行の悪いグループがいることもあります。
[大学留学]
大学留学では特定の学問をより深く学ぶための留学なので、周囲は同じ目的やモチベーションを持った学生ばかり。レベルは高く、留学生活はハードですが、興味ある分野を学ぶ場としては最高の環境だと言えます。
ただし大学交換留学の場合、基本的に日本の大学が協定している大学への留学になるので、留学先の大学に日本人がいることもよくあります。
❻ 留学先での生活
[高校留学]
高校留学の滞在先は、私立の寮制学校(ボーディングスクール)への留学をのぞけば、ホームステイの場合がほとんど。
高校生は未成年の子どもなので、ホストファミリーはいわば留学先での保護者。行動範囲や門限など各家庭のルールにのっとって生活しなければならないので、大学留学に比べると生活の自由度は決して高いとは言えません。
しかし、生活に制限がある分、外でトラブルに巻き込まれる可能性がグッと低くなるので、むしろメリットと捉えることもできます。
[大学留学]
大学留学の滞在先は大学の寮を選ぶ人がほとんど。ホストファミリーの監視下にあるホームステイとは違い、生活は基本的に自由。大学の勉強で忙しい毎日ですが、合間にアルバイトをして収入を得たり、現地で運転免許を取ったり、友人と旅をしたり、自由な留学生活を楽しむことができます。
大学留学では、勉学はもちろん生活のすべてが自己責任。学業とプライベートの両立やトラブルから身を守ることも自分自身で行わなければなりません。
目的に合わせて自分にベストな留学タイミングを選ぼう
高校留学をしたい!と家族に話したら、大学になってからでいいんじゃない?と言われた人もいるかもしれません。しかし、高校留学と大学留学では、目的や得られるものがまったく違います。
語学力アップや多様な価値観の醸成、人間的な成長を求めるのであれば「高校留学」のほう適していると言えます。
将来の仕事を見すえて、特定の学問を深く学びたいなら「大学留学」を選択するのが正解でしょう。
留学で何を学びたいか、留学経験を通して何を得たいかをよく考えて、自分にもっとも適した留学のタイミングを選んでくださいね!