高校生の交換留学 完全準備ガイド|留学費用・期間・準備手順・スケジュールまで詳しく解説!
高校交換留学の基礎知識から準備手順、スケジュールの目安までくわしく解説!
高校交換留学ってどんな留学?誰でも行ける?留学費用はいくら?どんな国に行けるの?いつ出発?今からでも準備は間に合う?など、高校生に交換留学に関するあらゆる疑問を一挙に解決していきます。
目次
高校交換留学とは? おさえておきたい基礎知識
まずはじめに、高校交換留学を検討するにあたり必ず知っておきたい基礎的な知識や用語を解説します。
– 高校交換留学ってどんな留学?
交換留学とは、その名前の通り、他国の留学機関や学校と互いに留学生を送り合う留学プログラムです。
留学のおもな目的は「異文化交流」。留学した先の現地の高校に通い、現地の人々と交流しながら他国の文化を学ぶことが目的です。また国の代表として日本の文化を他国の人々に伝えるという役割も担っています。
留学先の高校での学習活動も「異文化交流」の一環なので、高校の授業料は免除(無料)となっています。
– 高校交換留学は留学団体を通して申し込む
高校生が交換留学をする場合、高校生の交換留学を扱っている留学団体を通して申し込む形になります(在籍校の姉妹校交換留学などを除く)。
高校交換留学を実施している団体は、AFS日本協会やYFU 日本国際交流財団、日本国際交流振興会 JFIEなど日本国内に数多くあります。留学団体それぞれ独自の交換留学プログラムを扱っているので、団体によって留学可能な国や留学スケジュールなどは異なります。
留学国は申し込み時に指定することができますが、地域や学校の指定はできません。また応募可能な国が複数ある場合は、希望順位をつけて応募エントリーし、留学団体での選考審査を経て最終的に留学国が決まります。
– 高校交換留学に行くには選考試験突破が必要
交換留学に行くためには、各交換留学団体で行われる選考試験に合格しなければなりません。
交換留学では国や学校の代表として他国の人々と文化交流をするという使命を担っているため、それにふさわしい生徒かどうかを見極めなければならないからです。
選考試験の内容は交換留学団体によって異なりますが、おもに以下の4ステップになっています。
- 書類審査
- 英語試験(ELTiS/エルティス)
- 一般教養・常識テスト
- 面接
カナダやオーストラリアなど高校生に人気の留学国は競争率も高いので、選考試験にむけて対策・準備するのはもちろん、早い段階で応募するなど早めの留学計画が必要になります。
– 高校交換留学の留学期間は10ヶ月(1学年間)
交換留学の留学期間は、留学した高校の新学年(新学期)のスタートから学年が終了するまでの1学年間=約10ヶ月間になります。
私費留学では留学期間を自由にプランニングできますが、交換留学では原則として留学期間の短縮・延長はできません。
– 高校交換留学の滞在方法は「ホームステイ」
高校生が海外留学をする場合、滞在先の選択肢は「ホームステイ」か「寮滞在」のいずれかですが、交換留学の場合は基本的に「ホームステイ」のみとなっています(一部の例外を除く)。
ホームステイとは現地の一般家庭宅で一緒に生活をさせてもらう滞在方法。交換留学生を受け入れてくれるホストファミリーは皆ボランティアなので、宿泊費や食事、光熱費など滞在にかかる費用は基本的に無料です。
– 高校交換留学で行ける国は世界中にある!
高校生の交換留学で行ける国は、アメリカやカナダなど北米からオーストラリアやニュージーランドのオセアニア、中南米、ヨーロッパ、アジアまで世界中にあります(応募できる国は交換留学団体によって異なります)。
留学=英語圏の国と考えがちですが、交換留学ではフランス語、スペイン語、ドイツ語など公用語が英語でない国も数多くあります。英語圏以外の国では留学条件に高い語学力を必要としない場合がほとんどなので、英語に自信がない人でも安心してチャレンジできます。
– 高校交換留学にかかる費用は120万〜200万円
交換留学にかかる費用は、留学団体によって異なります。また同じ留学団体でも留学する国によって金額は変わってきます。
下の表はおもな交換留学団体の留学費用を国別にまとめたものです(*2020年出発プログラムの費用です)。海外留学にかかる費用は、為替レートや往復航空券代など時期による変動も大きいので、こちらはあくまで目安になります。詳しい金額は、各留学団体の最新の応募要項で確認してくださいね。
▼横にスクロールできます▼
留学国 | 公益財団法人 AFS日本協会 | 日本国際生活 体験協会EIL | YFU日本国際 交流財団 | 日本国際交流 振興会 JFIE | WYS教育 交流日本協会 |
---|---|---|---|---|---|
アメリカ | 170万円 | 155万円〜 | 160万円 | 170万円〜 | 169万円 |
カナダ | 145万円 | 197万円〜 | 148万円 | 217万円〜 | ー |
オーストラリア | 170万円 | 165万円〜 | ー | 169万円〜 | ー |
ニュージーランド | ー | ー | ー | 172万円〜 | 170万円〜 |
イギリス | ー | ー | ー | 170万円〜 | ー |
その他 | アジア・中南 米・ロシア 120万円 | フランス・ ドイツ 135万円〜 | アジア・ ヨーロッパ 148万円 | ー | ヨーロッパ 142万円〜 |
*これらの費用に出国手続き、ビザ申請取得、予防接種、海外旅行傷害保険、教科書代・実習費、留学中の小遣いなどは含まれません。
CHECK! 交換留学で使える奨学金制度はたくさんある!
現地高校の授業料や滞在費が免除になるとはいえ、交換留学にかかる費用はかなりの金額です。費用を理由に留学を諦めてしまう人も少なくありません。そんな時に大きな助けになってくれるのが「奨学金制度」です。
「高校留学マガジン」では高校留学で利用できる “返済不要(給付型)の奨学金” 情報を随時発信しています!留学計画がある程度固まってきたら、自分の留学で利用できる奨学金がないかをチェックしてください。返済不要(給付型)の奨学金は人気があるので、選考審査を突破するのは簡単ではありませんが、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
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– 高校交換留学の出発時期は冬と夏の年2回
交換留学の留学スケジュールは、各留学国のスクールイヤーに合わせて組まれます(一部例外もあり)。
おもな留学国のスクールイヤーは冬始まり(1〜2月)と夏始まり(9月)の2パターンで、交換留学の出発時期もそれに合わせて「冬と夏の年2回」になります。
南半球の国(オーストラリア・ニュージーランドなど)は冬始まり、北半球の国(アメリカ・カナダ・イギリスなど)は夏始まりの場合がほとんど。留学計画に大きく関わるので自分の行きたい国のスクールイヤーはしっかり把握しておきましょう。
[おもな留学国のスクールイヤー]
▼冬始まり
オーストラリア・ニュージーランド
南半球の国は冬始まりの学校がほとんど。クォーター制と呼ばれる4学期制を取っている学校が多い(タスマニア州は3学期制)。
▼夏始まり
アメリカ
アメリカの新学期は9月始まり。学期制は州や学校によって異なるが、セメスター制と呼ばれる2学期制を取っているところが多い。ほとんどの留学生は9月の始業に備えて、7・8月から留学に出発し現地で英語学習やオリエンテーションを受ける。
カナダ
カナダの高校も9月始まりのところがほとんどで、アメリカと同じくセメスター制(2学期制)を取っている。高校留学は基本的には9月入学になるが、学校によっては2学期始めの2月から入れるところも。
イギリス
イギリスも夏始まりで、学期制は日本と同じ3学期制を取り入れている学校が多い。
高校交換留学に行こう!準備〜留学出発までの手順&スケジュール
高校交換留学の概要がわかったところで、次は準備から出発までの手順とスケジュールを見ていきましょう。
高校生の交換留学は留学期間が1学年間(10ヵ月)と決まっていて、基本的に留学する国のスクールイヤー(新学年の新学期スタート)に合わせて留学スケジュールが組まれます。一部の国を除き、出発時期は冬出発(南半球の国:オーストラリア・ニュージーランドなど)と夏出発(北半球の国:アメリカ・カナダ・イギリスなど)の年2回。そこから逆算して留学準備がスタートすることになります。
まずは下の表で準備スタートから留学へ出発するまでの流れをざっくり確認しましょう。
高校交換留学の準備から出発までのおおまかな流れ[表は横にスクロールできます]
▶︎ scroll ▶︎ | ①交換留学団体に 資料請求する | [出発1年〜1年半前] ②交換留学説明会に 参加する | ③交換留学 プログラムに 応募する | ④選考試験を 受験する | [出発7〜8ヵ月前頃] *応募締切 | 選考〜合否通知 ・費用入金 | [出発3〜5ヵ月前頃] ⑤留学手配・オリエン テーション参加など | [出発1ヵ月前頃] ⑥渡航準備・高校・ホスト ファミリー決定など | ⑦交換留学へ 出発! |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
*冬出発 1〜2月 | → 随時 | 説明会は毎年3月頃から開始 (応募締切まで随時開催) | 応募受付は毎年 4月頃から開始 | → 随時 | 〜5・6月末頃まで | → 随時 | 8〜10月頃 | 11〜12月頃 | 翌年1〜2月頃 |
*夏出発 7〜8月 | → 随時 | 説明会は毎年3月頃から開始 (応募締切まで随時開催) | 応募受付は毎年 4月頃から開始 | → 随時 | 〜12月末頃まで | → 随時 | 翌年2〜4月頃 | 翌年5〜6月頃 | 翌年7〜8月頃 |
STEP❶ 交換留学団体に資料請求して情報収集
まず最初のステップは情報収集。複数の交換留学団体から留学資料を取り寄せ、どんな国に行けるのか、費用はどれくらいかなど具体的な情報を集めましょう。留学資料は各団体の公式ウェブサイトからオンラインで請求することができます(数日で届きます)。どの団体も資料請求は送料も含め無料なので、できるだけ多くの団体から資料を取り寄せて比較してみてくださいね。
STEP❷ 交換留学団体の留学説明会に参加する
各留学団体から取り寄せた留学資料である程度の情報を得たら、次は交換留学団体が実施する留学説明会に参加しましょう。留学説明会では、交換留学プログラムの応募要項や選考試験の内容、申し込み可能な奨学金などについて詳しい説明がなされます。また実際に交換留学を体験した人に話が聞ける場なども用意されています。留学団体との相性はとても大事なので、できれば複数の留学団体の説明会に参加して比較・検討するようにしてくださいね。
CHECK! 交換留学説明会は毎年3月頃からスタート
交換留学説明会はどの団体もだいたい春頃(2月下旬〜4月頃)からスタートし、交換留学の応募が締め切られるまで随時開催されます。冬出発の国(オーストラリア・ニュージーランドなど)への留学を希望する人は、応募締め切りまであまり時間がないので、できるだけ早めに留学説明会に参加してくださいね。
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STEP❸ 交換留学プログラムに応募(出願)する
留学説明会を経て留学団体を決めたら、次はいよいよ交換留学プログラムに応募します(この応募書類がまず最初の選考審査になるので「出願」という表現を使う団体もあります)。
各留学団体から指定された必要書類(下記)を揃え、応募期日までに申し込みしましょう。在籍している高校に準備してもらう書類もあるので、留学を決心したら早めに学校に相談してください。また応募書類に書いた内容は、のちに受ける選考試験の面接でも重点的に聞かれるポイントになるので、よく考えて作成してくださいね。
[おもな応募書類]
- 留学プログラム願書
個人のプロフィールを記入する書類。在籍校や家族構成、留学希望国・理由、海外渡航歴、趣味、アレルギー有無など。 - 学業証明
日頃から真面目に学業に取り組んでいるかを確認するための書類で、在籍校からの推薦書や中学3年間〜高校現在までの成績証明書、通知表など。出席・欠席日数もチェックの対象になります。 - 課題作文
団体によって書式は異なりますが、400〜800字程度で言語は日本語。作文のテーマは、留学目的、留学で得たいもの、交換留学生として貢献できること、高校卒業後の進路希望、自己PRなど。
CHECK! 交換留学の応募〆切は出発時期の7〜8ヶ月前頃
冬出発の国(オーストラリア・ニュージーランドなど)の場合は5〜6月末頃、夏出発の国(アメリカ・カナダ・イギリスなど)の場合は12月末頃が応募〆の目安になります。ただし応募状況によっては予定より早く締め切られたり、定員に満たない場合は〆切日が延長になることもあります。応募する際は、最新の募集状況を確認するようにしましょう。
▼交換留学募集状況はこちらをCHECK▼
STEP❹ 交換留学団体の選考試験を受験する
交換留学プログラムに応募して書類審査に合格すると、次は選考試験のステップに進みます。留学団体から日時と開催場所の指定があるので、選考試験を受けましょう。
選考試験の内容は留学団体によって異なりますが、一般的には以下の3つになります。
- 英語試験(ELTiS/エルティス)
- 一般教養・常識テスト
- 面接(基本的に日本語)
ELTiS(English Language Test for International Students)とは、アメリカの高校で現地の高校生と一緒に授業を受けるために必要な「聴き取り能力」や「読解能力」があるかどうかをチェックする、英語力判定テストのこと。交換留学団体のほとんどが留学選考審査の英語テストにこの「ELTiS」を採用しています。
選考試験はほとんどの留学団体で複数回受けることができるので(上限は団体によって異なる)、早い段階で一度チャレンジしてみて対策を練るのもありですよ。
CHECK! アメリカ交換留学は一定以上のELTiSスコアが必要
アメリカの高校に交換留学をする場合、現地の受け入れ高校に対してこのELTiSスコアの提示が必要になります。一定以上のELTiSスコアがないとアメリカ全土の高校において交換留学をすることはできません。アメリカ交換留学を希望する人はしっかり対策してくださいね。
STEP❺ 留学手配・オリエンテーションに参加
選考審査に合格すると、いよいよ本格的な留学準備に入ります。具体的には、交換留学受け入れ国に提出する書類の作成や渡航手続き、ビザの申請、オリエンテーション参加などになります。
オリエンテーションは、渡航後にスムーズに留学生活に入れるよう交換留学生の心得や留学先での注意点、荷物準備のポイントなど重要なレクチャーを受ける場です。交換留学に行く人は必ず参加しなければなりません(欠席すると内定取消の対象になります)。
オリエンテーションの実施時期や回数は留学団体によって異なりますが、複数回実施する団体や、交換留学派遣生を一堂に集めて合宿型オリエンテーションを実施する団体も多く見られます。
STEP❻ 受け入れ高校・ホストファミリーが決定
留学出発の1ヶ月前頃になると、現地で通う高校と滞在先のホストファミリーが決定します。
交換留学団体では、留学生と受け入れ先(高校・ホストファミリー)の双方が有意義な体験を送ることができるよう慎重に組み合わせを検討するため、渡航直前になるまで受け入れ先が決まらないこともあります。高校や滞在先が決定するまでは少し不安でしょうが、気持ちを落ち着けて待ちましょう。
STEP❼ 交換留学に出発!(冬・夏)
いよいよ交換留学がスタートします。冬出発は1〜2月頃、夏出発は7〜8月頃にそれぞれの派遣国に向けて出発します。
約10ヶ月の間、現地のホストファミリー宅にホームステイしながら、現地の高校に通います。留学団体によっては、渡航後に現地研修やイベント、オリエンテーションなどが行われる場合もあります。
CHECK! 帰国後も積極的に交流しよう!
多くの交換留学団体では帰国した留学生を対象に「帰国後オリエンテーション」を実施しています。それぞれの留学体験を振り返り、現地で感じたこと、学んだこと、得られたものなどを共有する貴重な情報共有の場になります。
また交換留学団体では留学経験者の交流も盛んに行われています。留学団体のOB/OGとして、これから交換留学を志す後輩たちにアドバイスをしたり、説明会で体験談を話したりすることもあります。ぜひ積極的に参加して、交流の輪を広げてくださいね。
思い立ったが吉日!交換留学準備は早めのスタートが正解
交換留学は留学団体から募集さえあれば応募することは可能ですが、時期によっては留学先の国が限られてしまうこともあります。
また交換留学する際はぜひあわせて検討したい「奨学金」ですが、奨学金によっては申込期限が設定されているものもあります。
高校交換留学に行きたい!と思っている人はもちろん、交換留学に少しでも興味を持ったら、まずは留学団体に資料請求する、留学説明会に参加するなど早めにアクションを起こしてみてくださいね(資料請求・留学説明会への参加は無料です)。
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